関税戦争から大型商談方式に切り替え

トランプは2025年4月に打ち出した「解放の日」関税政策の一環として、中国製品に145%の関税を課した。中国による不公正な貿易慣行と知的財産権侵害に対する制裁として、だ。

中国は125%の報復関税で応じ、米国の保護主義を非難しただけでなく、レアアース(希土類)の輸出制限を示唆した。レアアースはスマートフォンからミサイル誘導システムまでハイテク製品の生産に不可欠であり、代替供給源がほとんどない。

その後両国は非公式の通商協議を開始し、10月には韓国で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で、1年間の一時休戦にこぎ着けた。

米国が中国製品に対する関税を一部緩和するのと引き換えに、中国はレアアース輸出制限の姿勢を和らげ、大豆など米国産農産物の購入拡大を約束した。

ホワイトハウスのアンナ・ケリー副報道官は今週、トランプは「さらに好条件の取引」を引き出すと表明、農業、航空宇宙、エネルギー分野が重点になると述べた。

航空機大手ボーイングや穀物大手カーギルのトップに加え、テスラCEOのイーロン・マスクやアップルCEOのティム・クックらテック業界幹部も、トランプに同行する。

ただし、米政府高官が電話会見で記者団に語ったところによれば、取引規模は数百億ドル程度にとどまり、限定的なものになる見通しだという。

アナリストによると、今年に入って米国の裁判所がトランプ関税の多くを「大統領権限の違法な行使」と判断したことで、通商交渉におけるトランプの立場は著しく弱まっている。

さらに、中国はトランプの強硬な関税政策を受け、新市場の開拓を進めるとともに、ハイテクや再生可能エネルギー分野の重要輸出品について、静かに対米制限措置を導入している。

イランに対する劣勢を挽回したい
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