ウクライナの前線に近い危険な地域への物資輸送や避難民の生活支援に活躍するボランティアを追う

「持ってきたお菓子の箱を道の真ん中に置いても、子供たちは突っ立って見ているだけなんだ。手を出そうとしない。本物のお菓子がそこにあるのが信じられないんだ」と語るのは、パブロ・クルシク(27)だ。

彼はウクライナ南部ヘルソン州の、前線に近い危険な地域に住む人々のために、食料や医薬品などの生活必需品を運ぶボランティアをしている。

ロシアによる侵攻が始まって4年余り。クルシクは本誌に、前線近くでの物資輸送ボランティアの活動がどんなものか話してくれた。

クルシクはもともと石工で、侵攻前はエストニアで仕事をしていた。アメリカの非営利団体「ウクライナに希望を」のボランティアとして物資の輸送を始めたのは2022年のこと。当時は多くの援助団体が活発に活動していたと彼は言う。

だが時とともに状況は悪化。危険な地域で物資輸送を行うクルシクのような民間人ボランティアの数は減りつつある。侵攻が始まった直後はFPV(一人称視点)ドローンはほとんど使われておらず、移動は比較的安全だった。だが今ではドローンは至る所に出没している。

クルシクは年に30回ほど、前線近くまで物資を運ぶ。輸送ミッションの所要日数は1回につき5日ほどだ。「ヘルメットと防弾チョッキを身に着け、バンに荷物を積んで出発する。主な行き先は人道的状況が非常に深刻なヘルソン州だ」と彼は言う。

一番つらいのは、厳しい状況で暮らす子供たちの姿
【関連記事】