John Geddie Tim Kelly

[東京 1日 ロイター] - 日本政府による武器輸出容認に伴って、ロシアの侵攻に抵抗するウクライナを支援するために日本が防衛装備品を将来供与することを可能とする協議への道が開かれた。ルトビノフ駐日ウクライナ大使がロイターのインタビューで語った。

ルトビノフ氏は「これにより、話し合いが可能になる。理論的には、非常に大きな前進だ」と強調した。

日本政府は21日の閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷能力のある武器の輸出を解禁した。ウクライナや中東での紛争が西側の兵器生産を圧迫する中で、幅広い関心を集めている。

この見直しは紛争地域への輸出制限を維持しつつも、日本の安全保障上の利益にかなう例外を認めており、ウクライナはこのただし書きから恩恵を受けることを期待している。

中国の軍事力増強に直面する日本は、ウクライナの命運を自国の安全保障と結びつけている。日本の領土は台湾から110キロ以内に位置しており、中国が台湾を侵攻すれば日本が紛争に巻き込まれることが懸念されるからだ。

2022年にロシアがウクライナ侵攻を開始した直後、当時の岸田文雄首相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と警告し、第二次世界大戦後で最大規模となる日本の軍備増強を承認した。現在の高市早苗首相は、その計画を加速させている。

ルトビノフ氏は「もしもウクライナが倒れれば、大きなドミノ倒しが起きるだろう。だからこそ私たちの安全保障の観点から、インド太平洋と欧州大陸は切り離せないのだ」と力説した。

日本の外務省および首相官邸はロイターのコメント要請に直ちには回答しなかった。

高市氏は、ウクライナへの武器輸出を支持する公的な意思表示はしていない。官邸が発表した電話会談の概要によると、高市氏は昨年11月にゼレンスキー大統領に対して「日本はウクライナと共にある」と伝え、できるだけ早い「公正かつ永続的な平和の実現に向けた努力」を支持した。

日本の防衛装備品調達を検討している他の国々と同様に、ウクライナも日本と防衛装備品・技術移転協定を締結する必要がある。日本はこれまでに、ドイツ、オーストラリア、フィリピン、ベトナムなど計18カ国とこうした協定を結んでいる。

ルトビノフ氏は、日本における防衛輸出の繊細さを考慮し、ウクライナは慎重に対応していると説明。より直近では、深刻な不足に陥っている米国製防空システム「パトリオット」への依存を減らすため、ウクライナ独自の防空システムの開発に日本が資金提供できる可能性があるとの見方を示した。

その上でルトビノフ氏は「われわれは生産に必要な産業能力を全て備えている。しかし投資と資金が必要だ」と訴えた。

同氏によると、ウクライナ向けの米国製装備品の購入に資金を提供するプログラム、北大西洋条約機構(NATO)の「優先的ウクライナ必要条件リスト(PURL)」に日本が拠出することについても議論が進んでいる。

このプログラムは40億ドル強相当の装備品と弾薬を供給しており、昨年、オーストラリアとニュージーランドが非NATO諸国として初めて参加した。

ルトビノフ氏は「それぞれの国が自国の法的枠組みを尊重しながら、このメカニズムに参加できる。非殺傷兵器であっても構わない」と言及。日本企業が、ウクライナが前線に投入している数千機のドローン(無人機)に必要な電子部品やマイクロ部品の供給源を多様化する助けになる可能性があるとの期待感を示した。

ウクライナのシンクタンク「スネーク・アイランド研究所」の昨年の報告書によると、これまでウクライナのドローンは中国製部品が主流だった。

高市政権は今年、防衛戦略と軍事調達計画を発表する予定だ。そこではウクライナがロシアの攻撃を退けるために使用してきたような、空・海・陸のドローンの大幅な増強が求められる見通しだ。

ルトビノフ氏は「われわれはただ支援を求めるだけの国ではない。提供もする国だ。日本の技術とウクライナの経験を融合させれば、一級品が生まれるだろう」と期待した。

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