ようやく英国も他の諸国に追いつきつつあるかもしれない、とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)の当局者や産業界の専門家は指摘する。

「労働者が不足し、賃金が上昇する中で、企業はますます自動化に投資し、労働力を資本(設備)に置き換えるようになっている」と、BOEのウィル・ホルマン、ティム・パイク両氏は7月、同行の経済リサーチ専門ブログで記している。

同記事では特にブレグジットに言及していないが、移民労働者に高く依存するセクターにおける人員確保問題について触れている。

英統計当局は昨年、移民を巡る長期予測について、国民投票前の予想水準から下方修正した。またBOEはブレグジットに関連する労働力供給の減速により、潜在成長率が低下しつつあると述べている。

「エージェント」と呼ばれるBOEの地域担当者によれば、英国企業は、工場から食肉処理場、倉庫、スーパーマーケットでのセルフ精算レジ、ホテルの無人チェックインに至るまで、さまざまな場面でロボット化投資を進めている。エージェント30人は、年間9000社を訪問し、トレンドを探っている。

企業がこれまで以上に、生産拡大よりも労働集約的プロセスの自動化に向けた投資に力を注いでいることが、同調査で明らかになった。

数年に及ぶ失業率低下を受けて、英国が自動化において他国を追い上げる動きが出てくるのではないかとの予測があった。しかし、ブレグジットによって企業投資全般が低迷するとエコノミストが予想する中で、こうした動きが出ていることは注目に値する。

<増大するロボット輸入>

こうしたトレンドは指標にも現れつつある。

税関のデータによれば、プログラム変更によって新たな業務に対応でき、3次元移動が可能なアームを持つ多目的産業用ロボットの輸入が増大している。7月までの1年に輸入された同ロボットは、過去最高の8320万ポンドに達し、前年比で72%増加した。

フランクフルトに本部を置くIFRが英国は自動化に遅れをとっていると指摘する場合、念頭にあるのはこの種のロボットだ。

IFRによれば、英国における工場労働者1万人当たりの多目的産業用ロボット台数は2016年時点で71台にすぎず、フランスの132台、ドイツの309台、そして世界首位の韓国における631台を大きく下回っている。

これは、1つには英国における自動車セクターの規模の小ささを反映している。ロボット活用度が特に高いのは自動車メーカーだからだ。だが、同セクターを除いても、英製造業は他国に遅れをとっている。