Antoni Slodkowski Ben Blanchard

[北京/台北 29日 ロイター] - トランプ米大統領は来月中旬に北京を訪問するが、中国の習近平国家主席は、昨年韓国で行った首脳会談ではあえて棚上げした台湾問題を今回最大の議題に据える姿勢を鮮明にしている。

台北当局は、トランプ氏が同盟関係を取引材料のように扱ってきただけに、米国の航空機や農産物の購入、経済的圧力の緩和と引き換えに、台湾を巡る方針を軟化させたり、表現を変更したりする兆しがないか注視している。

中国外務省の政策諮問委員を務める復旦大学国際問題研究院の呉心伯院長は「台湾に関する論理は単純だ。米国が台湾を巡って中国と大規模な戦争をしたくないのなら、独立を支持すべきではない」と語った。

さらに「トランプ氏に中国と戦争をする意思はない。米国が関わる大きな衝突を避けるためにも、独立を支持しないこと、分離主義的な政治課題を後押しするような行動を取らないと明確にすべきだ」と述べた。

中国外務省は声明で、台湾問題は中国にとって「核心的利益中の核心」であり、「中米関係の政治的基礎の中の基礎」だと表明した。

さらに「『台湾独立』と台湾海峡の平和は、火と水のように相いれない」とした上で、トランプ氏の訪中について米中間で意思疎通を続けていると説明した。

米国務省はコメント要請に応じなかった。

米国は「一つの中国」政策をとっており、台湾の主権について公式には立場を示さず、中国の立場については「認知する(acknowledge)」が「受け入れる(accept)」とはしていない。米国は台湾独立を「支持しない」と表明する一方、台湾の自衛維持を支援するとしている。

半導体大国である台湾は西太平洋の軍事バランスの中心に位置するため、米国の表現の微妙な変化さえも、米国が台湾支援を継続する決意に関する中国側の評価に影響しかねないと専門家は指摘する。

トランプ政権高官は、台湾政策に変更はないと繰り返し表明し、台湾に対する中国の圧力を一貫して非難してきた。また、トランプ氏が政権発足から1年余りで承認した台湾向け武器売却の規模は、前任のバイデン氏が承認した総額を大きく上回ると、非公式の場で強調している。

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