Promit Mukherjee David Ljunggren
[オタワ 4月29日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は29日に開催した会合で、市場予想通り政策金利を2.25%で据え置いた。経済が中銀の想定に沿って推移すれば、今後の金利変更は小幅にとどまる可能性が高いとの見方も示した。カナダ銀は昨年10月から政策金利を2.25%に据え置いている。
ただマックレム総裁は、中東戦争や米国の関税措置がもたらす不確実性に言及した上で、原油価格の高止まりが続き、インフレ押し上げ圧力が強まれば、連続利上げで対応する必要が生じる可能性があると述べた。総裁が金利の道筋についてこれほど具体的に言及したのは、ここ数年で初めて。
総裁は四半期金融政策報告の公表に際し、「経済がおおむね基本シナリオに沿って推移するなら、政策金利の変更は小幅なものになると見込まれる」と述べた。
中銀は、中東戦争がカナダ経済全体に与える影響は限定的とみている。原油高は輸出収入を押し上げることでカナダに恩恵をもたらす一方、企業や家計には圧迫要因となる。
4月のインフレ率は3月の2.4%から約3%へ加速すると予想され、2026年通年では平均2.3%程度になる見通し。中銀はまた、2026年の成長率見通しを、1月時点の1.1%から1.2%へ引き上げた。前提条件として、中銀は米国の関税が現状維持となり、原油価格は27年半ばまでに1バレル=75ドルへ低下すると想定している。
マックレム総裁は「原油価格の上昇が続き、高水準にとどまる場合、エネルギー価格上昇が持続的かつ広範なインフレにつながるリスクが高まる。そうした状況が起き始めれば、金融政策は追加対応を迫られる。政策金利の連続引き上げが必要になる可能性がある」と語った。
経済見通しの公表は、2月28日にイラン戦争が始まって以降初めて。戦争開始後、エネルギー価格が上昇し、経済全体に持続的なインフレ圧力が波及するとの懸念が強まっている。
総裁は「これまでのところ、原油高がより広範な財・サービス価格に波及していることを示す証拠はほとんどない」と説明。また、エネルギー価格上昇や高止まりする食品価格を受けて短期のインフレ期待は上昇しているが、長期のインフレ期待はなお安定していると指摘した。
その上で、中銀はインフレ期待を注視していくとし、政策金利を決定するチームはインフレ率が来年初めまでに中銀目標の2%へ戻ると想定していると述べた。
総裁は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の行方、中東戦争、米関税の影響、原油高の波及効果が、今後の金融政策の方向性を左右するとの認識を示した。
カナダは原油の純輸出国だが、原油高の影響を巡ってはエコノミストらの見方が分かれている。カーニー政権は28日、名目国内総生産(GDP)は今年、増加するとの見通しを示した。
先週のロイター調査では、エコノミストの過半数が年内に金利変更はないとの見通しを示した。
次回の金融政策決定は6月10日で、短期金融市場は金利変更はないと想定している。また、10月に25ベーシスポイント(bp)の利上げが1回実施されるとの見方を織り込んでいる。