そのような調査を経て、やはり導入されることになれば、政府間交渉を経て認可をもらい、さらに価格や条件の交渉を経て早急に導入ということになると思います。問題は、1つ1つの銀行に「クロード・ミトス」の管理と運用のできる経営と実務の人材がいるわけではないので、もしかすると財務省が一括して管理と運用をするというスキームになるかもしれません。
実際問題として、現時点では「クロード・ミトス」はアメリカでも使うのは政府機関やシリコンバレー各社に限られているので、日本が導入する場合もそうなる可能性があります。その場合は、銀行の独立性が揺らぐことにもなるので、今から財務省と銀行が協議に入るというのは、その点の合意形成も目的の一つになっていると考えられます。
それはともかく、「クロード・ミトス」は立ち上がってしまい、おそらくライバル各社からも類似のサービスが出てくるのは間違いありません。ですから、こうした問題は避けられません。その一方で、AIにはもっと大きな問題があります。
「新卒業務の50%は代替可能」
それは雇用の問題です。この「クロード・ミトス」の開発をしたアンソロピックのダリオ・アモデイCEOは、4月1日にこう述べています。
「AIは人間に対する汎用的な労働代替」
「5年以内にAIは、あらゆる仕事をこなせる可能性がある」
同氏はつい1年前の2025年に、「新卒レベルのオフィス業務の最大50%がAIに置き換えられる恐れがある」と述べて騒動になっていますが、今回はさらに踏み込んだ格好です。この問題、つまりAIが知的労働の雇用を奪うという問題は、「クロード・ミトス」の脅威と比べるともっとずっと深刻な問題です。