飲食店の利用には大きく分けて「ハレの場」として人と歓談することを目的としたものと、純粋な食事目的の2種類がある。食品の消費税がゼロになっても、前者を想定した店舗については、それなりの解決策があるかもしれないが、価格を主な差別化要因とし、純粋に食事を提供するだけの店舗は、食料品店に客を奪われる可能性が高くなる。外食の業界団体は反対を表明しているものの、この流れを変えることは難しいだろう。
外食産業が直面している課題はそれだけではない。特定分野で働く外国人に付与される在留資格「特定技能1号」の上限が近づいたことから、政府は外食産業への人材新規受け入れを停止。人手不足がさらに深刻化することがほぼ確実となっている。
また個人が経営する小規模飲食店を中心に、後継者不足や資金難などによる閉店が相次いでおり、飲食店の倒産は過去30年で最多となった。特に後継者不足による倒産の影響は大きく、需要があるなかで店舗が消滅することになるため、そのギャップを埋めるのは大手チェーン店にならざるを得ない。
消費税率が戻っても外食の環境は激変?
大手チェーン店は相応の体力を持っているので、事業の展開そのものは容易だが、消費者からすれば、メニューの画一化がさらに進み、食の選択肢が狭まってしまう。地域経済という観点では、個人商店が減ることで地域に落ちる所得がさらに減るという副作用も無視できない。
高市政権は今のところ食品の消費税ゼロの期間について2年限定としているが、仮に消費税率が元に戻ったとしても、外食をめぐる環境は激変しているかもしれない。
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