Maki Shiraki
[東京 28日 ロイター] - デンソーは28日、半導体大手ロームへの株式取得提案について、賛同を得られなかったとして取り下げを決定した。デンソーの林新之助社長は同日の決算会見で、協議を進めても「両社の価値向上に至るシナリオが描けなかった」と説明する一方、100%株式取得にこだわらずに協業を続けていく考えを示した。
林社長は、株式取得提案は取り下げたが「ロームと今後の協業の広がりと深まりについて具体的な手応えを共有している」と述べ、今後も関係を深化させながら、技術開発や製造の面での協業施策や人的交流を進める意向を示した。
さらに「顧客や幅広い産業への貢献を継続するため、さまざまな形で第三者との連携の可能性を積極的に検討していく」とも指摘。ロームは現在、東芝と三菱電機の3社でパワー半導体事業の統合に向けて協議中だが、デンソーがこの協議に加わるかどうかについては「製品競争力が高まるかどうか。 その上で車、民生産業機器のお客様への価値提供がどうすれば高まるのかを軸において検討を進める」とし、「あらゆる選択肢は排除せずに考えていく」と述べた。
デンソーの買収提案取り下げについては、ロームも同日、複数回の協議を経て提案に関する理解を深めることができたものの「提案へ賛同するという結論には至らなかった」とのコメントを発表した。
また、デンソーは同日、豊田自動織機が保有する自社株を公開買い付けにより取得することも発表した。買付価格は1株1696円で、取得総額は最大で約3136億円となる。買付価格は、27日の東京証券取引所プライム市場における終値1884円に対し約10%のディスカウントを適用して算出した。買付期間は30日から6月1日。