Tamiyuki Kihara Yoshifumi Takemoto
[東京 27日 ロイター] - 政府は27日、国家安全保障戦略など「安保関連3文書」の改定に向けた有識者会議の初会合を首相官邸で開いた。高市早苗首相ら関係閣僚が出席。防衛費増額の規模、期間や財源の在り方が大きな論点だ。経済安全保障面でどのような戦略を描くのかなど、広範な議論も想定される。秋までに提言を取りまとめる予定で、政府は年内の改定を目指している。
高市首相は会議終盤のあいさつで、「私たちはこれまでと全く違う国際情勢の真っ只中にある。戦後の比較的安定した国際秩序はもう過去のものとなった」と述べた。その上で「インド太平洋では中国、北朝鮮の軍事力の増強、中国・ロシア、ロシア・北朝鮮の連携強化が見られる」などとし、「平和と独立を守り抜いていくために防衛力の抜本的強化を主体的に進めていかなければならない」と強調。国際社会を力が支配する場所にしてはいけないとの認識を示しつつ、「世界が激動の時代を迎え、日本が多くの困難な課題に直面する中で、この度の3文書の改定は国家の命運を左右する重要な取り組みだ」と語った。
政府は2022年12月、岸田文雄政権の下で3文書を策定。関連経費含めた防衛費を27年度にGDP比2%とする目標を掲げた。3文書の一つである防衛力整備計画では、同年度までの5年間の防衛費を計43兆円程度とする金額目標も示した。
このうちGDP比2%目標については、25年度補正予算で達成。自民党と日本維新の会は昨年10月の連立合意文書で「戦後最も厳しく複雑な戦略環境の変化に伴い」3文書改定の前倒しを盛り込んでいた。こうした経緯も念頭に、政府は今回の改定で防衛費のさらなる積み増しも検討する。
会議には高市首相のほか、木原稔官房長官、茂木敏充外相、片山さつき財務相、小泉進次郎防衛相ら関係閣僚が出席した。有識者は佐々江賢一郎・元外務事務次官、黒江哲郎・元防衛事務次官、遠藤典子・早稲田大研究院教授ら15人で構成する。この日、会議の座長を佐々江氏とすることも決まった。
〈「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の構成員〉
・秋池玲子(ボストン・コンサルティング・グループ日本共同代表)
・遠藤典子(早稲田大研究院教授)
・大矢光雄(東レ社長)
・黒江哲郎(元防衛事務次官、三井住友海上火災保険顧問)
・佐々江賢一郎(元外務事務次官、日本国際問題研究所理事長)
・清水賢治(フジテレビジョン社長)
・鈴木一人(東大公共政策大学院教授)
・橋本和仁(科学技術振興機構理事長)
・東野篤子(筑波大人文社会系教授)
・細谷雄一(慶応大法学部教授)
・松尾豊(東大大学院工学系研究科教授)
・三毛兼承(三菱UFJ銀行特別顧問)
・森田隆之(NEC取締役代表執行役社長兼CEO)
・山口寿一(読売新聞グループ本社社長)
・山崎幸ニ(笹川平和財団上席フェロー)
(五十音順)
(鬼原民幸、竹本能文 編集:石田仁志)