Miho Uranaka

[東京 27日 ロイター] - 大和証券グループ本社は27日、子会社の大和ネクスト銀行がオリックス傘下のオリックス銀行の全発行済み株式を3700億円で取得すると発表した。10月までに取得する。将来的には両行の統合も視野に入れており、統合後の総資産は約9兆円、自己資本は約4000億円規模となる見込みだ。

これまで大和ネクスト銀行は融資機能を持たず、市場運用によって成長してきたため、運用収益のアップサイドには一定の制約があった。決済口座を持たないオリックス銀も、安定的な低コスト資金の確保という点で課題があった。

大和証券グループの吉田光太郎・最高財務責任者(CFO)は決算会見で「金利のある世界の到来により、より魅力的な金利を提供することが預金獲得の鍵となる」と指摘。競争力のある預金金利を提供することで粘着性の高い預金の獲得を目指すという。

預金を今後5年間で2兆円積み上げる方針を示し、大和ネクスト銀の余剰資本を含めた3.5兆円は、不動産ローンに強みを持つオリックス銀の専門性を生かして、不動産担保ローンや証券担保ローンなど新たな融資に活用することで、資金収支の向上を図る考えを明らかにした。

吉田氏によると、利ざやを仮に1%確保できれば350億円の資金収支が向上できるという。

また、個人顧客を中心に、運用だけでなく融資など資産・負債の両面にわたるコンサルティングニーズが高まっているとも説明。「融資機能を自前で一から構築するには相応の時間を要するとの認識があった」とし、銀行機能の強化として、融資や信託機能も取り込むことでサービスの幅を広げ、ウェルスマネジメント分野での競争力向上を図りたい考えだ。

オリックス銀行の過去5年平均の純利益は200億円。株主資本利益率(ROE)やEPS(1株利益)の向上を目指す。買収資金は自己資金を充当予定で、エクイティ・ファイナンスは想定していない。資本バッファーを確保するため、今後永久劣後債の発行を検討するとした。

大和証Gが同時に発表した2026年3月期の純利益は、前期比13.5%増の1752億円で過去最高を更新した。IBESがまとめたアナリスト7人による今期連結純利益の予想平均値1630億円を上回った。

リテール中心に資産管理業務を担うウェルスマネジメント部門では、投信販売手数料やファンドラップ関連収益が拡大し、安定的な収益基盤と言える残高ベース利益は1827億円。中期経営計画の最終年度目標である1500億円を中計2年目で超過した。

大和証Gは通期予想を開示していない。27年3月期については、アナリスト8人による平均で1610億円となっている。

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