ホテル業界において、宿泊料金の値上げはたとえそれが小幅であっても業績に悪影響を与えかねない。物価高の中で、旅行好きの人々も価格にシビアになっているからだ。

ホテル業界向けにAIを活用した販売管理システムを提供しているテイクアップ社が発表したリポート「旅行需要概況2026」によれば、今年もアメリカの旅行需要は堅調だ。過去1年間にレジャー目的で宿泊旅行をしたアメリカ人300人を対象にした調査で、56%が前年と同程度、28%はそれ以上の頻度で旅に出たいと回答したという。

一方で、燃料費の値上がりといった要因もあって、旅行の費用は高騰しつつある。

「価格変動に対する消費者の目が極端に厳しくなっている」と、テイクアップのボビー・マーハマットCEOは本誌に語る。「宿泊料金が当初想定していた金額を約10%上回ると、顧客の心にためらいが生じ、宿泊先の再検討をし始める」

前述のリポートによれば、以前より料金を気にするようになったと答えた人は42%に上った。これはつまり、ホテルの経営戦略において「許容できる判断ミスの範囲が狭くなっていることを意味する」とマーハマットは言う。判断を誤れば、最適料金の設定や、予約サイトを訪れた人のうち実際に予約をする「成約率」にも影響が出るという。