第2に、トランプが中東で戦争を始め、さらにスターマーやイギリスに対してかなり辛辣な批判を繰り出し始めたため、スターマーがトランプとの友好関係を維持するのは不可能になりつつある。

トランプはどうやら、事前の通知もなかった戦争にイギリスが参戦する義務があるとでも考えているようだ。

スターマーは、トランプがウクライナの指導者を攻撃し、NATOの価値を軽視し、グリーンランド併合に言及するなかでも、彼との関係維持にかなり努めてきた。

僕個人としては、この点スターマーには同情する。彼は本当に難しい状況で最善を尽くしていた。おそらく自分の個人的な思いはぐっと飲み込みながら、多大な努力を払っていたのだろう。

だがイランに関しては、見通しが不透明でイギリス国内の支持も皆無な戦争である以上、明確に線を引かざるを得なかった。

いずれにせよ、現時点でスターマーとトランプの首脳会談は政治的な超難問だ。一方で、王室の公式訪問となると話は違う。

それが第3の理由で、どういうわけかトランプはイギリス王室に好意を持っているように見えることだ。単にトランプならではなのかもしれないが、僕はそれ以上に大きな現象ではないかとも思う。つまり、政治の世界に入る人々は概して「上昇志向」が強い。頂点に上り詰めることを好み、その栄光に浸りたがる。

そして何より国王と王妃が訪問してくるというのは、その最たる象徴の1つだ。外交はお世辞の世界でもある。この訪問が両国間の緊張をいくらか和らげる可能性は高いだろう。

建前上は非政治的な存在
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