公共劇場の未来──祝祭から始まる「リハーサル」
予算削減やコスト高騰、分断の深まりという荒波の中で、SPACが取り組む変革は、日本のすべての公共劇場が直面する課題への一つの回答でもある。
劇場は単に「良い芝居を見せる場所」ではない。社会が狂っていると感じる時に「正気を保つためのインフラ」として機能し、異なる価値観を持つ他者と共に生きるための「リハーサル」を行う場所なのだ。
演劇祭の会場に足を踏み入れることは、単なる観劇とは違う。見知らぬ隣人と同じ闇の中に座り、舞台の上に映し出された「別の世界の可能性」を一緒に夢見ることだ。
うなぎの生態をモチーフにブラジル移民の物語に耳を傾けながら、袴田さんの歩行に意志の力を見出しながら、サーカスが身体で問いかける「わたしたちは誰か」に揺さぶられながら、きっと気づくだろう。世界は、遠い場所ではなく、すでに隣に住んでいる、と。
それを体感する場所を作り続けることが、SPACが静岡から世界に向けて発し続けているメッセージだ。
【開催概要】
SHIZUOKAせかい演劇祭 2026
会期:2026年4月25日(土)〜5月6日(水・休)
会場:静岡芸術劇場、静岡県舞台芸術公園、駿府城公園 ほか
ストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡 2026」
5月3日(日・祝)〜5日(火・祝):駿府城公園・青葉シンボルロードなど静岡市内