同盟国は存立の危機


彼らは欧州を弱く、依存的だと繰り返すが、実際にはロシアこそがウクライナに縛られ、中国との関係で下位に立ち、欧州のエネルギー市場からも排除されつつある。強硬な言葉はクレムリンの強さの証明ではなく、弱さの告白だ。


イラン危機の特徴的な点は、停戦仲介を担ったのがパキスタンで、現在も次の交渉ラウンドの準備を進めていることだ。


今回の中東外交でロシアは中心的役割を果たしていない。中東で最後の同盟国であるイランが存立の危機に直面しているにもかかわらず、ロシアは必要とされなかった。


ロシアは不可欠な存在ではなく、脇に追いやられている。危機管理を担う信頼や権威はない。利害関係を持つ傍観者にとどまっており、イランに対する具体的支援もほとんど提供していない。

ロシアがイランに米国攻撃に関する機密情報を提供したとの報道が出た際も、米国はそれを明確に否定せず、重要視しなかった。大勢に影響はないと見たからだ。


ロシアとイランは2025年1月に戦略的パートナーシップ条約を締結したが、それも相互防衛条約には遠く及ばない内容だった。どちらも相手を救う能力を持たなかったからだ。


ロシアとイランは確かにパートナーだが、その関係には限界がある。ロシアには、ウクライナという主要戦域以外の事態を管理する大国としての余力が乏しい。

イラン戦争でロシアの強さを示す最も有力な根拠は、戦略ではなく経済だ。
 

米外交問題評議会(CFR)はロシアが戦争の初期受益者になったと指摘し、英シンクタンクのチャタムハウスはこれを「プーチンへの経済的贈り物」と呼んだ。

対中関係では劣位のパートナーに
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