欧州はロシア産ガス離れ
ロシア安全保障会議でプーチンの副官を務めるドミトリー・メドベージェフも、英語版のテレグラムで同様の主張を展開している。現在の欧州は米国の叱責に逆らえない「弱く、魅力もなく、役に立たない存在だ」と述べた。
こうしたレトリックの狙いは明白だ。米国の単独行動主義を持ち上げ、英国、フランス、ドイツを貶め、NATO内部の亀裂を広げることだ。
しかしロシア自身の現実は厳しい。
米カーネギー・ロシア・ユーラシアセンターは、「モスクワの軍事資源の大半はウクライナに縛られている」と指摘する。経済的にも困窮するロシアは、停滞し莫大なコストを伴う戦争に足を取られ、社会が完全に回復することはないかもしれない。
またEU安全保障研究所は、ロシアと中国について分析している。中ロ関係は「著しく非対称」で、北京のほうがはるかに柔軟に戦略を調整できる立場にあり、ロシアが従属的な立場にあるのは明らかだという。
欧州のNATO諸国は、ホルムズ海峡への艦船の派遣を求められた時、米国に「ノー」と言ってドナルド・トランプ大統領を苛立たせた。では今のロシアは、中国に逆らえるのか。
またドミトリエフの予言とは反対に、欧州のロシアに対するエネルギー依存は急低下している。
欧州委員会によれば、EUのロシア産ガス依存はウクライナ全面侵攻当時の45%から2025年には12%へ低下し、残る輸入についても段階的に廃止する法的枠組みが導入された。これは数十年来のロシアの欧州に対する影響力を大きく削ぐものだ。
この文脈で見ると、ドミトリエフやメドベージェフの欧州批判は、自らの弱さの裏返しにすぎない。