Pete Schroeder Michelle Price
[ワシントン 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長(金融監督担当)はこのほど大手銀行の幹部に対し、新たな資本規制を一段と後退させようとする積極的な働きかけをこれ以上展開しないよう期待すると伝え、さらなる規制緩和を勝ち取ろうとする大手銀行の動きをけん制した。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。
FRBは先月、国際的な銀行資本規制「バーゼル3」とシステム上重要な世界の大手銀行に対する資本上乗せ規制(GSIBサーチャージ)を緩和する提案を公表した。FRBの推計では、提案が実現すれば米大手銀行に義務付けられる自己資本の水準は4.8%程度軽減される。
FRBが2023年に策定した当初の資本規制計画で必要な自己資本は20%増えると想定され、銀行業界はこの計画に強く反発して基準の緩和を求めていた。
それでも関係者の話では、新たな提案で銀行が受ける恩恵は一様ではなく、全ての銀行が満足しているわけではない。JPモルガンは14日、新たな提案で必要となる自己資本は4%程度増えると発表した。同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は今月、株主への書簡で、新たな提案には依然として大きな欠陥があると指摘した。
他の大手銀行は今週の決算発表に際し、銀行業界は新たな提案にある程度の変更を求める公算が大きく、90日間の意見公募期間内にFRBへ意見を提出するとの見通しを示した。
大手銀行は23年の資本規制計画に反発し、議員へのロビー活動や首都ワシントンの街頭ポスター、プライムタイムのコマーシャルに加え、訴訟を起こす方針をちらつかせるなどして前代未聞の働きかけを展開してきた。大手各行が主張したのは、資本規制により融資が妨げられて経済が損なわれるという内容だ。
これに対して関係者3人の話では、ボウマン副議長と他のFRB当局者はここ数週間、銀行幹部との会合で、FRBは銀行の苦情への対応に強く取り組んできたと強調し、銀行業界が23年の資本規制の緩和を求めた際に採用した積極的な戦術を繰り返さないよう期待するとくぎを刺した。
関係者2人によると、FRB当局者は銀行幹部に、6月半ばごろに締め切られる意見公募では、銀行業界からの意見は範囲を絞り込み、具体的な内容に留めるべきだと伝えたという。
FRBの広報担当者はコメントを差し控えた。