Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 投資家らは20日から始まる週に相次いで発表される米企業の第1・四半期決算に注目するだろう。米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東での戦闘の行方が懸念されているにもかかわらず、米株式市場は驚異的な反発力で過去最高水準まで回復した。

今月15日にはS&P500種株価指数、ナスダック総合指数がそれぞれ過去最高値で取引を終えた。

投資家らは堅調な業績が予想される第1・四半期決算シーズンに向かう。決算は株式市場の強気なムードを支える大きな柱と見込まれる。20―24日には、S&P500種を構成する企業の約5分の1が決算を発表する予定だ。

ホライゾン・インベストメント・サービスのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「市場を日々変動させかねない戦争関連の状況から私たちが完全に脱したわけではない」とした上で、市場が今注目しているのは「企業利益と、株式がそれらの利益にどう反応するかに移っている」との見方を示した。

原油価格は引き続き高値圏で推移する。米国産標準油種WTIは16日に1バレル当たり94ドル前後で取引された。これはイラン攻撃直前の2月下旬の1バレル=67ドルと比べて大幅に上昇している。

ボストン・パートナーズのグローバル市場調査ディレクター、マイケル・マラニー氏は、インフレ率の上昇や米国債利回りの上昇といった原油価格の高止まりがもたらす影響が株式市場の問題となる可能性があるとして「株式市場はこの6週間に起きた出来事を、まるで悪夢から目覚めたばかりかのように扱っている」と指摘。その上で「それはまるで、さらなる影響や余波がないかのようだ。私はその見方には同意できない」と訴えた。

<テスラ決算が幕開け>

超大型7銘柄(マグニフィセント・セブン)の幕開けとして、テスラは22日に決算を発表する。また航空機メーカーのボーイング、半導体のインテル、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)なども決算を発表する予定だ。

LSEGのIBESデータによると、S&P500種構成企業の第1・四半期の利益は前年同期より約14%増加すると予想されている。大手銀行の決算発表は13―17日の週に始まり、変動が激しかった第1・四半期に取引収入が急増したことを報告した。銀行各社は消費者や家計の底堅さを指摘する一方で、経済面のリスクについて慎重な姿勢を示した。

アメリプライズのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリムベネ氏は「米国の消費者は厳しい圧力に直面しているものの、第1・四半期の銀行決算の初期段階を見る限りはまだ崩れてはいない」との見解を示した。

トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)議長に指名したケビン・ウォーシュ元理事が21日に議会で公聴会に臨む予定だ。トランプ大統領はジェローム・パウエルFRB議長が追加利下げの要求に応じなかったことに激怒しているが、中東での戦闘によるインフレ圧力の高まりを受けて市場では年内の利下げを事実上見込んでいない。

21日に発表される3月の小売売上高統計は、中東紛争の米国経済への影響に関するさらなる手がかりを提供する可能性がある。この影響でガソリン価格が1ガロン当たり4ドルに達している中、投資家は消費者の支出への影響を注視することになるだろう。

ダコタ・ウェルス・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネージャー、ロバート・パブリク氏は「この価格水準がすぐには下がらないとみており、今後の自由裁量支出に影響を及ぼすことになりそうだ」と言及。その上で「したがって、米経済が好調だという主張は近視眼的だというのが私の考えだ」と語った。

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