Julie Zhu
[香港 20日 ロイター] - アジアの航空会社の大半が、欧州路線の需要が急増したと報告している。イラン情勢に伴う中東のハブ空港での混乱を利用者が嫌ったためで、複数のアナリストによると、紛争が終結した後もこの流れはしばらく続く可能性がある。
香港のキャセイパシフィック航空、シンガポール航空、大韓航空、オーストラリアのカンタス航空は先週、ジェット燃料価格が2倍に跳ね上がる事態に苦戦しつつも、3月は欧州路線が堅調な業績だったと明らかにした。
キャセイ航空のラビーニャ・ラウ最高顧客・商業責任者は17日に「乗客が代替ルートを優先したことによる市場需要の急増に対応するため、3月と4月に欧州路線を増便し、座席供給量を拡大した」と述べた。
ラウ氏は、イースター(復活祭)休暇の旅行や香港を主軸とする長距離路線の予約増加を背景に、強い需要は4月いっぱい続くとの見通しも示した。
シンガポール航空は、3月の欧州路線の座席利用率が93.5%と、前年同月の79.9%から急上昇したと発表した。これは中東のハブ空港経由の座席供給能力が低下し、欧州へ乗客が流入したことが一因で、同社の欧州路線利用率は全地域で最大の伸びを記録した。
ペルシャ湾岸地域の主要航空各社は徐々に供給量を回復させているが、例えばオーストラリア政府が自国民に対して湾岸諸国への渡航や同地域での乗り継ぎを自粛するよう勧告し、旅行保険が適用されないといった課題に直面している。
その結果、グーグル・トラベルのデータに基づくと、顧客が湾岸地域を避ける便に支払う割高な費用(プレミアム)が生じるようになった。
25日に出発するシドニー発ロンドン行きのエコノミークラス往復航空券は、アブダビ経由のエティハド航空が1861豪ドル(1399.59米ドル)で最安値だが、中東を避ける場合の1回乗り継ぎにおける最も安い選択肢は、サンフランシスコ経由のユナイテッド航空の3144豪ドル、バンコク経由のタイ国際航空の3901豪ドルとなる。
バンク・オブ・アメリカのアナリストチームは最近のノートに「予約の時間差や旅行者のリスク回避傾向を考えると、アジア・欧州路線の価格高騰とシェア拡大は紛争終結後も6カ月から12カ月は持続してもおかしくない」と記した。
大韓航空が発表した第1・四半期の暫定決算では、欧州路線の業績が好調だったおかげで、営業利益が前年同期比47.3%増となった。
同社はこの増益について「中東紛争に伴う欧州・アジア間の需要増加」が一因と分析した。欧州路線の旅客収入は前年同期比で18%増えた。
今後に関しても中東の航空各社による供給減少を受けて「堅調な乗り継ぎ需要」が期待できるとしている。
一方、カンタス航空もこうした需要変化を取り込もうと運航体制の調整を進めており、米国路線や国内線の供給能力を振り向ける形で、パリやローマへの便数を拡充した。
同社は「顧客が代替ルートを探していることから、欧州への国際旅行需要は引き続き高水準にある」と指摘した。