トルコのアルバイラク財務相は、同国の経済や金融システムに対する大規模なリスクは想定していないとの見解を示した。現地紙ヒュリエットが29日報じた。

同報道が伝わる中、トルコリラ<TRYTOM=D3>は1ドル=6.49リラまで下落し、15日以来の安値を更新。銀行株<.XBANK>も1%下落した。

同紙によると、アルバイラク財務相は今週記者団に対し、「トルコ経済もしくは金融システムに対する大きなリスクは確認していない」と語った。低水準にある公共・家計債務や堅調な金融システムを理由に挙げたという。

しかし、トルコリラは今年約40%値下がりし、燃料費や食品価格の急上昇を招き、銀行や経済全体へのリスクが懸念視されている。当初はエルドアン大統領の中銀への影響が不安材料として注目されていたものの、米政府との対立が深まるなか、トルコ経済を巡る状況は悪化している。

クレディ・アグリコルのアナリストは、アルバイラク財務相の発言によって「投資家の間でトルコ政府がマクロ経済管理で厳しい舵取りを迫られているとの見方が強まる可能性がある」と述べた。

こうした中、ムーディーズは28日、トルコの金融機関20社を格下げし、下向きリスクが大幅に高まっている兆候があるとの認識を示している。

また、トルコ統計局がこの日発表した8月の経済信頼感指数は2009年3月以来の低水準となっている。

別の記者会見では、アルバイラク財務相は強力な財政政策が金融政策の支えになるとの考えを示したほか、インフレ抑制に向け一層の責任を負うと述べた。

投資家は来年トルコに一段の関心を示すとした上で、力強さが増していることが経済指標から確認できるだろうと語った。

アルバイラク財務相はさらに、米国との関係が悪化する中、トルコが欧州連合(EU)諸国との関係修復を望んでいることも示唆。その一環として、同相は今週パリを訪問し、仏財務相と会談した。

来週には英国、その後ドイツを訪問する可能性も示している。

[イスタンブール/アンカラ 29日 ロイター]
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