Tetsushi Kajimoto

[東京 9日 ロイター] - 厚生労働省が9日公表した1月の毎月勤労統計によると、名目賃金から物価変動の影響を除⁠いた実質賃金は前年比1.4%増となった。賃上げペースが高止まりする一方で物価が安定したことにより、13カ月ぶりにプラスに転じた。伸び幅は2021年5月(3.1%増)以来の大きさだっ⁠た。

労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は前年比3.0%増で、49カ月連続で増加⁠した。このうち、残業代などの所定外給与は3.3%増(前月1.5%増)で22年11月以来の伸びだった。

基本給に当たる所定内給与は同3.0%増(前月2.1%増)で、33年3カ月ぶりの大幅な伸びとなった。パートなどを除くいわゆる正社員では3.2%増で、過去最高の⁠伸び率。厚労省の担当者は、賃金の増加は「堅調な所定内給与に支えら⁠れて⁠いる」との認識を示した。

一方、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は前年比1.7%上昇で、前月の2.4%上昇からさらに伸びが鈍化した。この結果、物価の影響を除いて実質化した賃金は1.4%の増加となった。⁠前月は0.1%減だった。

厚労省の担当者は「賃上げが高いレベルで推移する中、物価が安定したことで実質賃金がプラス転換した」とみている。ただ、確報値にはパート・非正規社員のデータが多く追加されるため、実質賃金の数値なども下方修正される可能性がある⁠という。担当者によると1月分の確報値の公表は4月8日を予定しており、「確報で改めて分析したい」としている。

連合が5日公表した2026年春闘の賃上げ要求(定期昇給分を含む)は、加重平均で5.94%だった。昨年同時期の6.09%は下回ったものの、24年(5.85%)を上回る高水準。

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