一方、その穴を埋めるかのように素早く動いたのが中国だ。中国は投票ブースやコンピューターなどの機器関連で2000万ドル相当を提供した。

中国による太っ腹な援助の背景には、マレーシア情勢の再来への警戒がある。マレーシアでは、5月に行われた総選挙で野党連合が勝利。マハティール首相は前政権が承認した中国出資の巨大プロジェクトの見直しを進めている。

カンボジア総選挙への中国の異例の協力ぶりは、周辺諸国の今後を示唆しているのかもしれない。アジアと欧州にまたがる巨大経済圏をつくる「一帯一路」構想の一環で、中国はアジア各国に対する投資を記録的な水準にまで拡大させている。

「民主主義からの逆行が起きている国はカンボジアだけではない」と、カンボジアのシンクタンク、フューチャー・フォーラムのウー・ビラク所長は言う。

「その共通項は中国だ」

[2018年8月14日&21日号掲載]

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