舞台の上のハムレットは、ハムネットがあと何年か生きていたらこうなっていただろうと思わせる姿だ。ちなみにハムレットを演じるのは、ハムネット役のジャコビ・ジュープの兄、ノアだ。

あれだけ息子を生き返らせようと必死だったシェークスピアが、息子つまりハムレットにこれほど残酷な運命を背負わせるのはなぜだろう。「生きるべきか死ぬべきか」で始まる独白の中で示されるように、ハムレットの苦悩の理由は、死の可能性ではなく、その不確かさにある。

生は終わりなき苦しみであり、ハムレットの言葉を借りれば煩わしくて退屈で無益なものだ。一方で死は終わりなき眠りだとは言うものの、死のほうが生よりもましだという保証はどこにもない。少なくともハムレットの父の亡霊が語る死後の世界は「煉獄の業火に焼かれる」場所であり、生よりもましなようには思えない。

だがハムレットはアグネスに、息子にとっての死後の世界はもっといい場所だと想像することを許す。その瞬間、アグネスと周囲の観客たちにある種の一体感が生まれる。いったい何が起きているのか、他の観客たちはよく分かっていなかったかもしれないが。