富裕層の多いニューヨーク州ロングアイランドの著名な投資顧問スティーブン・ロジェに言わせると、この世代が「米国史上最も裕福な集団になれたのは、いくつもの追い風が同時に吹き、それが何十年も続いたから」だ。

戦後期には賃金水準がぐっと上がったし、当時はまだ労働組合の力が強く、労働者に分配される富の割合が今の時代よりずっと多かった。

家も大学もまだ安かった

住宅市場も追い風となった。当初は「住宅価格が手頃で、公的な補助金もあった。だからみんな早いうちに住宅を買った」とロジェは言う。

「その後の40年間は住宅ローンの金利が下がり続ける一方、中古住宅の価値は上がったから、ローンの借り換えを繰り返せばお釣りが来た」。つまり70年代や80年代に安く買った「最初の家」が、気が付けば多くの家庭で最も価値のある資産となっていた。

そして教育の機会。「授業料は今よりずっと安かったし、公立校が増え、各種の奨学金もできて大学に進みやすくなった」とロジェ。

「それで学生ローンなどの負債を抱え込むことなく、生涯賃金を増やすことができた」。大卒ならいい給料を期待できたし、今と違って学生ローンの返済に苦しむ心配もなかった。

倹約が富を支えた