「クラマトルスクは自由だ」とナターリヤは言う。「夫が近くにいるから、ここでは心穏やかでいられた。四六時中砲撃があっても夫と一緒なら耐えられた」。

ダーリャも「軍が守ってくれるから心強い。周りで何が起きても『規模の大きなただの悪夢だ』と自分に言って聞かせることができる」と語る。

宿泊先の確保に関しては、旅行予約サイトを使う人もいれば、レーシャのように部屋を貸してくれる人を見つけて直接、電話することを選ぶ人もいる。

ウクライナ語で話せるほうが安心できるが、相手が信頼に足るかどうか、安全に過ごせるかどうか、確実なことは分からないとレーシャは言う。「頼りになるのは自分の勘と常識だけよ」

24年のイースター(復活祭)の時期、レーシャと夫が借りた部屋には、前の宿泊者が作ったおすすめレストランのリストが残されていた。

だが、冒頭にリストアップされていた2軒は既に被災していた。テイクアウトのほうが安全なので、2人は外食はしないことにした。

「最後の瞬間かもしれない」