今年1─3月期に伸び悩みの兆しが見えた日本の輸出は、対米自動車輸出や中国向け半導体製造装置の輸出が好調で、再加速している。米トランプ政権の輸入規制の影響も今のところなく、日本経済は輸出主導の拡大が継続する可能性が高まっている。

対中半導体製造装置の輸出増の背景には、スマートフォン需要だけでなく、中国自身が推し進めているIT化戦略の影響も色濃く出ており、貿易構造の変化もうかがえる。

<中国のIoT化、日本で需要創出>

4月の実質輸出(日銀発表)は、前月比5.2%伸びた。1年2カ月ぶりの上昇率を記録した背景には、中国向け半導体製造装置の好調さがある。金額ベースでは前年比18%増。

その要因として挙がっているのが、中国が進めるIT化。データセンターやIoT(モノのインターネット)用センサー需要などが急速に伸びている。

今年1─3月期も、日本の中国向け半導体製造装置の輸出は前年同期比3割を超える増加となっていたが、4月は2倍超へと勢いが加速した。

自動車輸出も好調を維持し、4月は米国、欧州向けの好調を背景に前年比15.3%増となった。はん用・生産用・業務用機器、電気機器といった加工組立品も伸びた。

SMBC日興証券のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は、4月貿易統計で「世界経済拡大の恩恵を受けて、輸出が増加基調を維持していることが確認された」とみている。

1─3月期国内総生産(GDP)では、輸出が前期比0.6%増と17年10─12月期の2.2%増に比べて勢いが鈍化したが、「やはりソフトパッチにすぎなかったようだ。4─6月期は、輸出が日本経済をけん引する構図になろう」と述べている。

<世界の貿易指数低下、貿易摩擦の懸念反映か>

1─3月期のドル/円は、110円超の円安水準から104円台まで円高が進む場面もあったが、足元では111円台に戻している。

日銀の調べでは、この2年間をみると、日本の実質輸出が為替に影響される度合は極めて低くなっているが、自動車産業などでは輸出における円安の影響は明確にプラス。

このまま推移すれば、世界経済の拡大と為替差益で自動車業界の収益見通しは上振れする可能性がある。

貿易戦争の懸念は後退