Lucia Mutikani

[ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が3日発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は718万1000件と前月から17万6000件減少した。求人件数が10カ月ぶりの低水準に落ち込む一方、解雇件数は増加し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以降で初めて失業者数が求人数を上回った。

米国の労働市場の減速が改めて裏付けられ、米連邦準備理事会(FRB)が今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを行うとの見方を強めた。

ロイターがまとめた求人件数のエコノミスト予想は737万8000件だった。

医療・社会福祉セクターの求人数は18万1000件減少と、2カ月連続で減少した。同セクターはここ数カ月、雇用増加の主なけん引役となってきた。

小売業では11万人減少、芸術・娯楽・レクリエーションセクターでは6万2000件減少した。専門・ビジネスサービス分野は5万6000件減少した。

一方、建設・製造・金融活動分野では求人数が増加した。連邦政府の求人数も1万8000件増加した。これは移民執行機関の採用に関連しているとみられている。

採用件数は4万1000件増の530万8000件。増加は卸売業、製造業、その他のサービス業に分散している。レジャー・ホスピタリティー、運輸・倉庫・公益事業、医療・社会福祉業では減少した。

雇用率は3.3%で横ばいだった。

解雇件数は建設業を中心に1万2000件増の180万8000件。専門・ビジネスサービス業では13万人減少した。レイオフ率は1.1%で横ばいだった。レイオフは比較的低水準にとどまっており、労働市場の安定を支えている。

転職する労働者も減少した。失業者1人あたりの求人数は0.99件で、6月の1.05件から減少。パンデミックによる不況からの脱却を目指していた2021年4月以来初めて1.0を下回った。

自主的に仕事を辞める人は減少し、離職率は4カ月連続で2.0%を維持した。

労働市場の減速について、エコノミストはトランプ政権による大規模な関税措置が背景にあると指摘。政権が進める移民の取り締まり強化に起因する労働力の減少も影響しているとの見方も出ている。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「この悪化は、過去数年間のFRBによるインフレ抑制の取り組みを通じて概ね健全であった労働市場が徐々にむしばまれていることを浮き彫りにした。経済政策の不確実性は春以降、幾分後退しているものの、消費者支出の鈍化と関税に関連するコスト圧力により、企業は人員を含め、可能な限りコスト削減を模索する圧力にさらされ続けるだろう」と述べた。

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