中国が慰安婦問題をユネスコの世界記憶遺産に登録すべく申請をしてきたが、資料不十分として、他の国と連携するように命ぜられたのは、まだ記憶に新しい。そこで習近平はパククネ(朴槿恵)元韓国大統領を抱き込み、韓国とともに再挑戦することを試みようとしていたが、2015年末、日韓により「慰安婦問題を国際社会で二度と取り上げないこと」が不可逆的に合意された。
すると習近平はいきなりパククネを突っぱね、THAAD(サード)の韓国配備もあって、突然韓国に激しい経済報復を始めたのだ。
ところが、もともと親中派の文在寅が大統領になると、「慰安婦問題に関する日韓合意は韓国民の十分な民意を得ていない」ことを理由に、再び慰安婦問題を表面化させるようになった。中国による経済報復で低迷を続ける韓国経済を何とか回復させようと、11月26日付けのコラム<韓国を操る中国――「三不一限」の要求>など、いくつかのコラムで書いて来たように、韓国は中国にひれ伏し、中国が喜ぶように「反日的言動や決定」を繰り返すようになったのである。
中国における「痛快そうな」報道
中国大陸では、「ほら見たことか!」と言わんばかりの報道が目立つ。
たとえば、11月24日付の中国共産党系の「環球網」は「日本、ビンタを喰らう!サンフランシスコ市長:慰安婦像問題、議論の余地なし」という見出しで報道し、中国共産党の機関紙「人民日報」の電子版「人民網」や中国政府の通信社の電子版「新華網」などが、一斉に華々しく日本批判を展開した。中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTVなどのアナウンサーの声も、心なしか「痛快げ」に聞こえるほどだ。「してやったり!」「さあ、反抗はできまい」と言わんばかりである。
こんな中国を、「日中友好だ」とか「李克強首相が日本の経済界代表団と会見してくれた」とか「習近平が笑顔で安倍総理と握手してくれた」というトーンで受け止めている日本政府と日本のメディアを見ていると、暗澹たる気持ちになるのを抑えることができない。
