Ben Blanchard
[北京/台北 9日 ロイター] - 中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は8日、台湾の頼清徳総統が「邪悪な意図」で緊張を高めていると批判した。中国よりも台湾の方が歴史が長く、中国は台湾市民の祖国にはなり得ないとする発言に反発した。
頼総統は5日、建国記念日に相当する「双十節」(10月10日)を控えた関連行事で、中国が10月1日に建国75周年を迎え、数日後に中華民国(台湾)が建国113周年を迎えることに言及。「年数という観点で言えば、中華人民共和国(中国)が中華民国(台湾)の人々の『祖国』になることは絶対に不可能だ」とし、「中華人民共和国の75歳以上の人々にとっては、むしろ中華民国が祖国になるかもしれない」と述べた。
台湾事務弁公室は8日遅くに発表した声明で、頼氏が善悪を混同していると反論。頼氏は台湾海峡の両岸は別々の国であるという理論を主張し続けているとし、「頼清徳氏の台湾独立の誤りは、古いワインを新しい瓶に入れただけのもので、台湾独立に対する彼の頑固な姿勢と、敵意と対立をエスカレートさせようとする邪悪な意図を再び明らかにしている」と批判した。
一方、台湾で対中政策を所管する大陸委員会は、1949年以来中華人民共和国が台湾を統治したことがないというのは客観的な事実だと主張。「台湾事務弁公室の発言により、中国共産党は自らを中国の唯一の正当な政府とみなし、中華民国の存続にいかなる余地も与えていないことを台湾の人々ははっきり認識した」と指摘した。
頼氏は10日に演説を行う予定。台湾当局者からは、中国が台湾周辺で軍事演習を実施する可能性があるとの声が出ている。
米国務省の報道官は、中国の行動を推測することはできないとした上で「毎年恒例の祝賀行事や公の場での発言を挑発行為や威圧行為の口実として利用することは、平和と安定を損なう」と指摘した。
中国国防省は9日、バイデン米政権が台湾向けに新たに5億6700万ドルの防衛関連支援を承認したことを批判し「台湾への武器供与は台湾の独立を促すことで、台湾の独立は戦争を意味する」と述べた。