Balazs Koranyi Francesco Canepa
[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は18日、主要政策金利を予想通り据え置いた。市場が注目する9月理事会での決定については、ラガルドECB総裁は「ワイドオープン(何も決まっていない)」と述べた。
ECBは声明で「これまでの情報は、中期的なインフレ見通しに関する理事会の前回の評価をおおむね裏付けている」と指摘。「域内物価圧力は依然高く、サービスインフレは高止まり、総合インフレは来年に入っても目標を上回る可能性が高い」とし、前回6月会合に続く連続利下げを見送った。
企業収益は物価圧力の一部を吸収しているが、リスクは残っており、追加利下げに踏み切るには一段の証拠が必要とし、バランスの取れたメッセージを示した。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、成長に対するリスクは「下方に傾いている」とし、前回理事会で示した「リスクは短期的には均衡している」という文言から変更した。
「世界経済の弱含みもしくは主要経済国間の貿易摩擦の激化は、ユーロ圏の成長を圧迫するだろう」とし、高金利が予想以上に経済活動に打撃を与える可能性もあるという認識を示した。
さらに、投資指標は2024年の成長が控えめになることを示唆しており、第2・四半期のユーロ圏成長は第1・四半期の0.3%よりも鈍化した可能性が高いと指摘した。
今後の政策決定については、事前に約束することはなく、今後得られるデータに基づき決定を下すという考えを再表明。「したがって、9月にどのような措置を講じるかはワイドオープンだ」と述べた。
ラガルド総裁は利下げに踏み切った6月の理事会後の会見で、ECBによる金融引き締めスタンスの「縮小」プロセスが進行中である「可能性は高い」と述べていた。今回は同様の見解を示さなかった。
<市場は年内あと2回の利下げを予想>
ラガルド総裁は賃金の伸びについて、景気低迷のほか、賃金交渉がすでに決着していることなどを踏まえると、伸びは鈍化していく可能性があるとし、賃金の伸びは来年にECBのインフレ目標と一致すると予想されると述べた。
この発言は一部市場で、一段の政策緩和が近づいていることを示す控えめな手がかりと受け止められている。
TSロンバードのエコノミスト、ダビデ・オネリア氏は「ECBがハト派的な姿勢を維持していることを示す新たな兆候と受け止めている」とし、「サービス部門のインフレ率が下半期に一段と低下することが先行指標で示されている。実質金利の引き締まりを避けるため、少なくともあと2、3回の利下げが必要になる」と述べた。
EFG銀行のチーフエコノミスト、シュテファン・ゲルラッハ氏は「米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに着手する公算が大きい中、ECBも同様の行動を取るだろう」と指摘。
コメルツ銀行のエコノミスト、イェルク・クレーマー氏も「インフレ指標がおおむね想定通りの方向を示している限り、9月の理事会で利下げが決定される公算が大きい」とし、「12月と来年3月にも追加利下げが実施される」との見方を示した。
市場では、ECBが年内に約2回の利下げを実施し、来年末までに5回強の利下げを実施するという見方が織り込まれている。