[台北 11日 ロイター] - 電子機器の受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業が11日発表した第1・四半期決算は、純利益が前年同期比56%減少して予想を大幅に下回り、四半期ベースで3年ぶりの大幅な落ち込みとなった。
純利益は128億台湾ドル(4億1717万米ドル)。リフィニティブによると、アナリスト13人の予想平均は291億8000万台湾ドルだった。
鴻海は、シャープの株式に関連する173億台湾ドルの評価損が利益不振の原因と説明。劉揚偉董事長は決算を受けた電話会見で「今後、投資事業の管理にさらに力を入れていく」と述べた。
世界経済の不透明感が影を落とす中、劉氏は通期見通しの「視界」は限定的だと述べ、「保守的な見通し」を維持した。
黄徳才最高財務責任者(CFO)は、在庫水準は平均より高いものの、それらの水準を「積極的に調整している」と指摘。「コントロール可能」であり、今四半期末までには「比較的低いポイント」まで減らすと述べた。
鴻海はまた、電気自動車(EV)事業に関しては伝統的な自動車メーカーにアプローチしているとした。
同社は、米オハイオ州ローズタウンにある元ゼネラル・モーターズ(GM)工場を買収したほか、日産自動車出身の関潤氏をEV事業の最高戦略責任者に迎えた。
一方、米新興電気自動車(EV)メーカーのローズタウン・モーターズは1日、大株主の台湾・鴻海科技集団(フォックスコン)による追加出資が不透明なことから、破産法の適用申請を迫られる恐れがあると表明した。
劉氏は、オハイオでの生産に影響はないとし、同地で他のEV車種の大量生産に取り組んでいると述べた。
米アップルのサプライヤーである鴻海は第2・四半期について、主要家電製品の売り上げが前年比で減少するとの見通しを示した。スマートフォンを含むこのグループは総売上高の半分以上を占めている。
2023年のクラウドおよびネットワーク製品の売り上げは横ばいと予想。従来は大幅に成長すると予測していた。
会社全体の売上高としては、第2・四半期に減少する一方、通年は横ばいになる見通し。通年は従来も横ばいと予想していた。
シャープが11日に発表した2023年3月期の連結業績は、2608億円の純損失(前年度は739億円の黒字)に転落した。収益性低下に伴いパネル工場などの減損損失2199億円を計上した。同社は2月に同期の業績見通しを下方修正し、純損益見通しを未定としていた。