[ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は8日に公表した半期に一度の金融安定性報告で、米国の銀行部門は全体としてこのところの混乱を乗り切れる態勢が整っているように見えるとしながらも、今回の混乱が将来的に信用状況に重くのしかかる可能性があるとの見方を示した。

FRBは、銀行の資金調達リスクは全体的に引き続き抑制されており、流動性は依然として十分な水準にあるほか、3月のシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の突然の破綻を受け銀行規制当局が実施した追加的な政策措置は一段のストレスが発生した際に銀行システムのバックアップになると指摘。

「FRBには発生する可能性のある流動性圧力に対処する用意があり、米国の銀行システムがその重要な役割を果たし続けると保証することにコミットしている」とした。

その上で、シリコンバレー銀とシグネチャー銀の破綻による影響が波及する懸念はあるとしながらも、両行は保護の対象外となる預金への依存度が高いなど「例外」的な面があったとし、両行の破綻につながった要因は銀行部門に広範に見られるものではないと指摘した。

このほか、銀行資産の45%以上が1年以内に満期を迎えるなどすると指摘。価値の低い証券への長期にわたる大きなエクスポージャーがないことが示唆されるとした。

また、保護の対象外となる預金の額は減少しているものの、新型コロナウイルスによるパンデミックに関連して預金が流入したことで、過去の平均値をなお上回っていると指摘。ただ、全体として銀行は依然として十分な資本を有しているとした。

<連邦債務上限問題を巡る懸念>

銀行以外の部門については、圧力は歴史的な規範の範囲内にとどまっていると指摘。ただ、商業用不動産の評価は依然として高いとし、

在宅勤務などのリモートワークのトレンドが定着すれば、不動産価値に「大幅な」調整が入る可能性があることが示唆されているとした。

FRBの報告書によると、商業用不動産ローンの約60%を銀行が保有しており、その3分の2は資産1000億ドル以下の小規模金融機関が保有している。

今回の報告書で、回答者の半数近くが連邦債務上限引き上げ問題を重大なリスクとして認識していることが判明。同問題は昨年11月の前回報告書では最大の懸念事項として取り上げられなかった。

銀行部門のストレスについても、回答者の半数以上がリスクと認識。割合は前回報告書の12%から増加した。

このほか、高インフレの継続と金融引き締め、米中の緊張の高まり、ロシアによるウクライナ侵攻などが潜在的なリスクとして挙げられた。

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