<トルコ南東部のハサンケイフは、ダム建設によって1万年以上の歴史と共に水没した>
メソポタミア文明最古の都市の1つとされるトルコ南東部のハサンケイフは、チグリス川をせき止めて建設されたウルス・ダムにより、その1万年以上の歴史と共に水没した。写真家アンドレアス・ラングは、破壊が生んだ新たな時代の下に横たわる、幾多の歴史の層を写し出す。
新刊写真集『ブロークン・メモリーズ』では、多様な勢力が入り乱れ、衝突を繰り返してきた諸文明の十字路であるトルコの歴史を、ラングが「視覚的考古学」と呼ぶ手法で可視化。歴史の消滅や人々の無関心にあらがいながら、不連続な記憶の修復を図る。
考古学者が慎重に発掘を進めるように、写真の細部に目を凝らせば、奥底に埋没した歴史物語が浮かび上がる。


©Andréas Lang VG Bildkunst Bonn 2023 from "Broken Memories" by Kerbar Verlag