<暴力と恐怖が支配するギャングの世界に一度足を踏み入れれば、もう出口はない>

ギャングによる殺人やレイプが蔓延する中米エルサルバドル。幼少期から暴力や貧困と隣り合わせの日常は、絶望した若者たちをギャングの道へと引きずり込む。新入りメンバーは殴打やレイプの洗礼を受け、逃げ出そうとする者には死が待ち受ける。

写真家のタリーク・ザイディは、ギャングが恐怖によって同国を支配している様子を写真集『シン・サリダ』にまとめた。「(ドナルド・)トランプ前米大統領が中米からの移民を『犯罪者』と呼んだとき、彼らがどんな生活から逃れようとしているのかを知ろうと思った」とザイディは言う。

3年がかりで撮影したのが、同国で二大勢力とされるギャンググループのマラ・サルバトルチャ(MS-13)とバリオ18のメンバー、そしてその恐怖支配の現場だ。

8~9歳でギャングに入る子供もおり、一度入ると精神的にも肉体的にも抜け出すことは困難だ。絶望的世界への入り口は曖昧で、一度入ると出口はない。彼らの支配下に生きる多くの人々にもまた、出口は見えない。

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ケサルテペケ刑務所に過密状態で収監されているギャングたち。貧困が若者を絶望させギャングに入るしか道がない状況に(2018年)
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エルサルバドルの首都サンサルバドルの路上で射殺事件があったエリアを封鎖する警官たち。死体には8発の弾丸が撃ち込まれていた
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2018年の撮影時、チャラテナンゴ刑務所では更生を目的にアクティビティーが行われていたが、20年に同刑務所は閉鎖された