目を閉じて胸に手を当て、「私を幸せにしてくれるものは何?」と自問しろと繰り返すだけのセラピストもいた。

更年期を迎えた妻が患っている尿路感染症などについての無神経なジョークを飛ばした作家(男性)もいた。正直、腹が立ったし、少しも笑えなかった。

でも有名な産婦人科医が参加したセッションでは、ホルモン補充療法をめぐる真剣な議論が交わされた。

米政府の「女性の健康イニシアチブ」が2002年に出した「ホルモン補充療法を受けると乳癌などになりやすい」とする報告書について詳しく説明してくれて、みんな熱心に耳を傾けた(この報告は後に、事実上撤回されている)。

本当のニーズはどこに

そんなわけで、柄にもなく高級リゾート(のビーチではなく会議室)で過ごした半日は、必ずしも無駄ではなかったと思う。ただし、主催者側の意図には少なからぬ違和感があった。

加齢に伴って女性なら誰もが経験する深刻な問題に、あのイベントが真剣に向き合おうとしていたことは事実。

でも本当の目的は、スポンサー企業にマーケティングや宣伝の機会を提供することにあったのでないか。そうであれば、「新更年期」会議は成功だったのだろう。

でも、と私は思う。そもそも更年期を生きる私たちに本当に必要なものは何なのか? 魔法のクリーム? ほてりを冷ますフェースミスト? それとも率直に更年期の悩みを語り合える場?

確かに、あの会議には語り合いの場があった。でも本音の語り合いを始め、続けるだけなら、もっと手軽で手頃な方法がある。おしゃれしてサンタモニカの高級ホテルに集まる必要はない。

「新更年期」の到来を予感
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