ニューズウィーク日本版 創刊30周年 ウェブ特別企画
1986年に創刊した「ニューズウィーク日本版」はこれまで、政治、経済から映画、アート、スポーツまで、さまざまな人物に話を聞いてきました。このたび創刊30周年の特別企画として、過去に掲載したインタビュー記事の中から厳選した8本を再録します(貴重な取材を勝ち取った記者の回顧録もいくつか掲載)。 ※記事中の肩書はすべて当時のもの。

[インタビューの初出: 2011年1月19日号]

 2月に行われる全米最大のスポーツイベント、NFL(全米プロフットボールリーグ)スーパーボウルのハーフタイムショーに乗り込む、ヒップホップグループ「ブラック・アイド・ピーズ」。ソロでも活躍の場を広げるメンバーのウィル・アイ・アム(35)に、音楽ジャーナリストのロレーン・アリが聞いた。

◇ ◇ ◇

――米大統領就任記念ライブ、サッカーのワールドカップ開幕コンサートときて、ついにスーパーボウルだ。

 スーパーボウルは格が違う。国民の祝日だ! それにうちの家族はフットボールの大ファンなんだ。おじがロサンゼルス・ラムズ(現セントルイス・ラムズ)でプレーしていた。ついに家族の中からスーパーボウルの「出場者」が出るわけさ。

──自分をセレブだと思う?

 頼むから俺のことをそう呼ばないでくれ(笑)。最近のセレブの大半は、セレブの名に値することをしていない。それだけでも俺はセレブになりたくない。音楽に情熱を傾けている1人の男で、俺の曲にみんなが引き寄せられる、それでいい。

――あなたは超大物のプロデュースも数多く手掛けている。ボノみたいな人に、「音程が外れている」とか言える?

 スタジオに入る前はパニックだ。「M・J(マイケル・ジャクソン)とアイルランドで1週間も一緒なんて!」。でも、いざとなったら責任を持ってやる。謙虚さも必要だ。「俺の力を借りたいんだろう?」なんて付け上がってはダメだ。

【参考記事】訃報、マイケル・ジャクソン
【参考記事】神になったマイケル・ジャクソン

――あなたがマイケル・ジャクソンと手掛けた曲は、先日発売されたマイケルのアルバムに収録されていない。機会があればリリースしたいか。

 彼と3年間やって、発表したのは『スリラー25周年記念リミテッド・エディション』のリミックスだけ。一緒に録音したほかの曲は、もう出すべきじゃない。彼の賛成なしで出すのは良くない。彼は完璧主義だった。

――ブラック・アイド・ピーズの新しいアルバムは『ザ・ビギニング』。前作は『ジ・エンド』。順番が逆では?

 終わりがあれば、必ず新しい始まりがある。

――何が終わったのか。

 レコード産業の在り方すべて。今はまったく新しいテクノロジーの時代が始まっている。

【参考記事】NY音楽シーンの熱気を伝える、撮影者と被写体の信頼感

牢屋行きにはなりたくなかった