<悲願のワールドシリーズ連覇を果たした「悪の帝国」ドジャースが憎まれ役になるワケ>


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「あの選手が」同点本塁打
最強球団のとてつもない幸運

ロサンゼルス・ドジャースは王朝を築いた。11月1日のワールドシリーズ最終第7戦は歴史に残る戦いとなり、延長11回、5-4でトロント・ブルージェイズを倒してMLB(米大リーグ)史上25年ぶりの連覇を達成した。

まさに快挙だ。ドジャースは超高額契約を連発して球界屈指の選手を次々に獲得し、「野球を壊している」と批判されてきた。もちろんそんなことはないのだが、今や紛れもなく憎まれ役だ。ただし、大谷翔平の笑顔と才能だけは嫌いになるなんてできるはずがない。

選手の育成においてもドジャースには圧倒的な実績がある。2016年のドラフト1巡目で入団した生え抜きのウィル・スミス捕手は、オールスターに3回出場する選手に成長。今年のワールドシリーズ第7戦では決勝本塁打を放った。

とはいえ、1つの球団にあらゆる幸運が完璧なタイミングで重なるのを見せつけられると、なんとも腹立たしいではないか。「運は自分でつくるもの」ともいわれるが、今年のワールドシリーズのドジャースは圧倒的な強運をほしいままにした。

私はフロントもオーナーも本気で優勝を目指していない球団(ピッツバーグ・パイレーツ)のファンとして、ドジャースが一流選手にとって魅力的な移籍先であることを恨めしく思ったりはしない(私もロサンゼルスに転居したのだから)。

レギュラーシーズン162試合を通して見れば、球団間の実力のばらつきはほぼ消える。データ解析システムのスタットキャストによると、今季のドジャース打者の打球の強さなどから、チーム打率は6位が妥当なところ。実際に6位だった。

ただし、ポストシーズンは偶然の連続だ。全ての運が強者に味方したときに、野球の神々がどれほどの加護を与えるものかと並べ当ててもバチは当たるまい。

始まりは10月9日の地区シリーズ第4戦だった。フィラデルフィア・フィリーズの投手が平凡なゴロを悪送球し、ドジャースはサヨナラ勝ちでナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。

「あの選手が」同点本塁打
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