元鉄道職員のルチアーノさん(69、偽名)がイタリア中部の都市ピサにある依存症治療クリニックに足を踏み入れた時、長年のギャンブル生活の果てに残っていたのは身につけている服だけで、それ以外のもの──家族と暮らした家、貯金、そして尊厳──は全て失われていた。

「カジノや競馬など、あらゆる賭けにのめり込んだ。欧州中のカジノを巡って全財産を使い果たした。全て溶かしてしまった」と、彼はロイターに話した。

イタリアは欧州最大のギャンブル市場となりつつあるが、ルチアーノさんの窮状はその背後にある暗い現実の一端を表している。オンラインやスマートフォンの普及に伴い、ギャンブル市場に誰でも容易に手を出すことができるようになった。

イタリアはギャンブル産業が英国、ドイツ、フランスを上回る成長を示し、カジノの総粗収益(顧客から集めた賭け金総額から事業者が支払った賞金を引いた額)は2024年に215億ユーロ(250億ドル)に達した。

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マフィアも関与