懸念されるのは、昨今の気候変動に加えて、農業や下水による栄養素汚染のために、藍藻類の大量発生が長期化していることだ。

また、この水域の場合、藍藻類を大量に含む水が人間の健康に影響を与える恐れもある。

「イルカの健康は、海洋汚染が人間に与える影響の予兆になると考えられているから、藍藻類の人への影響も懸念される」と、研究に参加したマイアミ大学のデービッド・デービス特任准教授は言う。

今回研究の舞台となったインディアン・リバー・ラグーンよりもずっと南に位置するとはいえ、フロリダ州のマイアミデード郡は2024年、アメリカで最もアルツハイマー病の罹患率が高い地域だった。

「アルツハイマー病の原因は多数あるが、藍藻類への曝露も大きなリスクになりつつある」とデービスは語る。

【参考文献】

Noke Durden, W., Stolen, M. K., Garamszegi, S. P., Banack, S. A., Brzostowicki, D. J., Vontell, R. T., Brand, L. E., Cox, P. A., & Davis, D. A. (2025). Alzheimer's disease signatures in the brain transcriptome of Estuarine Dolphins. Communications Biology, 8(1), 1400.
https://doi.org/10.1038/s42003-025-08796-0

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