では、子ども・若者1人あたりの額にするとどうか。2022年の日本の公的教育費支出は、上述のようにGDPの2.86%にあたる。この年の日本のGDPは4兆2601億ドル。公的教育費支出の実額は、2.86%をかけて約1218億ドルと見積もられる。これを同年の0~24歳人口で割ると4578ドルで、他国と比較できるようにドルを基準にした物価水準指数(0.74)で割ると6187ドルとなる。これが、日本の子ども・若者1人あたりの公的教育費支出だ。

同じようにして、37カ国の子ども・若者1人あたりの公的教育費支出額を計算した。<図2>は、各国を高い順に並べたグラフだ。

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日本は37カ国中27位で、先ほどのデータより順位は上がっているものの主要国の平均水準を下回る。北欧諸国、韓国、アメリカには遠く及ばない。子ども・若者1人あたりでみてもこんなものだ。

各国の政府が子ども・若者1人にどれほどの教育費を出したかをイメージしやすいよう、「1ドル=115円」として円換算すると、首位のノルウェーは274万円、韓国は123万円、アメリカは115万円、日本は71万円で、違いは歴然としている。

北欧では、大学まで学費が無償だ。対して日本では国立大学が財政難に苦しみ、そのツケを「学費3倍に値上げ」という形で家計に押し付けようとしている。「カネを出せ」は、学生の家庭ではなく国に言うべきだろう。

<資料>
OECD「Education at a Glance 2025」
総務省「世界の統計2025」

【グラフ】OECD加盟国の公的教育費支出の比較