しかし、ヒンドの魂の声は今、イスラエルの思惑を超えて世界に響き続けている。本作にはブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラなどハリウッドの名だたる俳優たちがエグゼクティブプロデューサーとして参加し、かつてないほどの応援が寄せられている。これはパレスチナ問題の映画作品としても前例のない大きな支援となった。
映画は9月3日にベネチア国際映画祭で初上映され、13日にはトロント国際映画祭で上映が予定されている。スペイン、日本、ポーランド、ポルトガル、タイ、トルコ、バルト三国、香港などでも公開されるようだ。
ベン・ハニアは、ヒンドの70分間の声の断片を初めて耳にしたとき、強い無力感と深い悲しみに襲われ、「地面が足元から揺れるような感覚だった」と振り返る。
すぐにパレスチナ赤新月社に連絡を取り、音声記録をすべて聞いて、その痛ましさに衝撃を受けた。ヒンド・ラジャブの映画を制作するためにすべてを捨てる決断をしたという。
また、2024年2月には「ヒンド・ラジャブ」の名を冠した財団が設立され、ブリュッセルを拠点に活動している。この団体は、世界各国でイスラエルの責任者や軍人らを対象に、パレスチナ人に対する戦争犯罪の訴追活動を行っている。
