駆け引きの重要な先例に

中国が米ロ会談で手に入れたのは、紛争の継続だけではない。チェコのシンクタンク、シノプシスのチャールズ・バートンは、「中国にとってアラスカ会談は、『世界は大国間の勢力圏をめぐる駆け引きの舞台である』という信念を裏付けるものだった」と話す。

中国政府は、大国が世界の諸問題を解決するという考えを好む。「将来のトランプと中国指導部との首脳会談に向けた重要な前例ができた。会談で中国は、東アジアにおける大幅な譲歩を迫るだろう」とバートンは言う。

北朝鮮も、ウクライナ戦争の継続に関心を持っている。

「金正恩(キム・ジョンウン)政権は、アメリカによる他の戦線での外交的関与に満足しているだろう」と、人権団体「北朝鮮人権委員会」のグレッグ・スカラトウ事務総長は筆者に語った。「それにより金正恩は、利益追求のために不安定性、暴力、武器の輸出を続ける時間を稼ぐことができる」

金政権は、砲弾や短距離弾道ミサイルをプーチンに売却して財源を潤してきた。最近の調査によれば、供給された武器はコンテナ2万8000個分にも上る。

北朝鮮はまた、兵士約1万2800人を昨年ウクライナに近い戦場に派遣し、さらに3万人を追加派兵するともみられている。韓国の情報機関によれば、ロシアは兵士1人につき月2000ドル相当を北朝鮮に支払っているという。

トランプは忍耐を失いつつある
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