ドンバスは多くのウクライナ人が命がけで守ろうとしてきた領土だ。

「ドンバスには、日々砲撃と命の危険にさらされながら暮らしているウクライナ人がいる。彼らを見捨てることは、裏切りと同じだ」と語るのは、ゼレンスキー率いる与党「国民の僕(しもべ)」所属のオレグ・ドゥンダ議員だ。「この地域を譲れば軍の反乱が起き、社会全体に亀裂が広がる恐れがある」

それだけではない。ウクライナが支配するドネツク州西部には「要塞都市」と呼ばれる拠点が点在している。その中核を成すクラマトルシク、ドルジュキウカ、スロビャンスクなどの都市は防衛線を形成し、長年、ロシアの西方侵攻を阻んできた。

ISWは「ウクライナは過去11年にわたり、これらの要塞帯に時間と資金、労力を注ぎ、強固な軍事インフラを築いてきた」と評価する。

つまりドネツクは、他の地域をロシアの侵略から守るための「防波堤」だと、ウクライナ国会外交委員長のオレクサンドル・メレジコは語る。

「この要塞線は、これまで一度も突破されたことがない」とドゥンダは強調する。「この防衛線を放棄すれば、ロシアに中央ウクライナへの道を開くことになる」

クリミア併合で学んだ教訓
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