質問したり、間違えたりできる余地を社会が許容すること──それこそが成熟し、思いやりのある社会の証であり、これは決して後退ではない。
最も重要なのは、リベラル系男性の離反を「文化的な問題」とだけ捉えるのではなく、「政治的な課題」として認識することだ。彼らは今もそこにいて、投票し、大局的な課題──気候変動や経済的公正──に関心を持ち続けている。
ただし、自分たちが軽んじられたり、尊重されていないと感じれば、票を他に回すか、投票そのものをやめてしまう。どちらの結果も、リベラル側には不利に働く。
失われた信頼を取り戻すために、フェミニズムや平等の理念を放棄する必要はない。ただ、語り口と姿勢を少し変えるだけでいい。男性を「脅威」としてではなく、「より良い社会をともにつくるパートナー」として扱うことが求められている。
もし民主党が、男性を単なる票田ではなく、複雑なアイデンティティと切実な関心を持つ存在として真正面から向き合うことができれば、離れていった有権者たちの多くは、再び帰ってくるかもしれない。
ゾルタン・イシュトヴァン(Zoltan Istvan)
トランスヒューマニズム、人工知能、未来社会に関する執筆や講演を行っている。サンフランシスコで妻と2人の娘と暮らしている。
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます