通過儀礼の「狩り」とは

映画『28年後...』ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)とスパイク(アルフィー・ウィリアムズ)
ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)とスパイク(アルフィー・ウィリアムズ)

ロンドンが廃墟と化してから28年。ヨーロッパ本土ではレイジウイルスが根絶され、イギリスは厳格な検疫措置により世界から完全に隔離されている。

感染を免れた人々が協力して暮らす最後のとりでとなっているのが、スコットランド沖にあり、満潮時に水没する土手道でイギリス本土とつながっている孤島だ。電気も現代技術もない島の自給自足の生活はのどかに思えるが、武装した見張りが人食いモンスターの群れを何とか寄せ付けずにいる。

島で暮らす男子は15歳くらいになると大人への通過儀礼として、本土に渡り、弓矢で感染者を1人以上殺す「狩り」をしなければならない。物語の冒頭、島民のジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)は12歳の息子スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)を連れて、狩りに向かう。

繊細なスパイクは血に飢えた感染者を前に怖くてたまらないが、男らしい父親に認められたい一心で、地面をはい回る感染者を仕留める。飢えた「アルファ」(感染者の変異体で、巨大化して強く、知能が高い)と遭遇するも危機を乗り越えて、親子は無事に要塞の島に戻る。

島ではスパイクの母アイラ(ジョディ・カマー)が、レイジウイルスではないが原因不明の病気に苦しんでいる。体が衰弱して、ときどき意識がもうろうとなる母親をスパイクはひそかに本土へ連れ出す。パンデミックを生き延びた医師の噂を聞いて、母親を治してくれるかもしれないと思ったのだ。

ゾンビ映画は製作時の政治・文化を反映する
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