例えば、ヘイト発言をする批判派は「男性のまなざし(male gaze)」という用語の成り立ちについてもっと学ぶべきだ。だが同時に、一部の擁護派は考えなしに支持している気がする。このアルバムカバーが拍手で迎えられていないことには、それなりの理由がある。

カーペンターの「みだらな女の子」キャラは多くの場合、魅力的だ。前作のツアーのパリ公演で収録曲「ジュノー(Juno)」に合わせてエッフェル塔を模したセックス体位を披露したのは不適切どころか笑えた。

【動画】「性的すぎる」サブリナ・カーペンターがパリ公演中に披露した「フランスならではの新たな体位」にネット騒然

カーペンターが演じるペルソナは微妙で、明確に説明するのが実は難しい。男性の気を引くためのそぶりに見えかねないことを、おばかさん風に振る舞う小柄なカーペンターが女性中心の観客の前で行うと、別の何かに転じる。

こうしたパフォーマンスを楽しむ人は、カーペンターがよりあからさまに性的な路線に転換する不安を敏感に感じ取っているのだろう。この手のイメージチェンジはこれまでしばしばその兆しだったからだ。

今回の騒動の大きな理由は、嘆かわしい性の政治学が横行する時代を示唆する写真スタイルだ。既に指摘されているように、その雰囲気は露骨に性的な写真家テリー・リチャードソン(Terry Richardson)の作品や、アメリカンアパレルの広告にそっくり。

カーペンターが髪をつかまれているポーズを、過剰にポルノ化した現代カルチャーの枠外で捉えることは不可能だ。

「明らかにみんなセックスが好き」と発言
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