北海道猿払村に積み上がっていたホタテの貝殻
北海道猿払村に積み上がっていたホタテの貝殻 COURTESY OF KOUSHI CHEMICAL INDUSTRY

廃プラは「見えない部分に使うか、雑貨など無難な製品に加工するのが常だった」と南原。人目を避けて使われていた廃プラと廃棄された貝殻で、安全性が求められるヘルメットを作るという発想には意外性がある。

ブランドストーリーは広告代理店のTBWA\HAKUHODOと磨き上げた。南原が卵の殻のプラ素材をX(旧ツイッター)で発信したときから意気投合し、企画・開発を協働してきた。

協働がものづくりの肝

デザイン面では、バイオミミクリー(生物模倣)の考えを基に貝殻の構造をエレガントなリブ模様に落とし込んだ。リブ構造を入れることで一般的なヘルメットに比べて強度が約30%向上。表面には粒状にした貝殻をあえて見せ、テクスチャーの魅力にした。

自転車での着用努力義務化や防災対策などヘルメット需要が高まるなか、女性や若い世代の購入を見込み、優しいパステルカラーの色展開にもこだわっている。

22年にクラウドファンディングで先行販売すると、大きな話題に。大阪・関西万博の共創事業プログラムで防災・モビリティー用公式ヘルメットにも採用された。

さらに万博では、清水建設などとシェルテックを活用した貝殻型のベンチも制作。同社とは猿払村でのテトラポッド製作でも協働している。

「仮想の会社」をつくったつもりで
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