<欧州では極右は敬遠されがちと思われていたが、ポーランド大統領選では極右候補が選挙を制した。極右台頭を阻止するために必要なこととは>

6月1日にポーランド大統領選の結果が出るまでは、ヨーロッパ各地の選挙では特殊な力学が顕著だった。選挙前の世論調査では極右政党が躍進するかに見え、ふたを開ければ中道政党がトップになるか、極右が予想ほど伸びなかった、というパターンだ。

ルーマニア大統領選でニクショル・ダンが極右に勝利した際も、ドイツでフリードリヒ・メルツが首相に決定した時も、安堵の空気が流れた。

だがポーランド大統領選では、極右政党「法と正義」が支持するカロル・ナブロツキが、ドナルド・トゥスク首相の推すラファウ・チャスコフスキを僅差で破り勝利した。

この結果は国内的には、ポーランドを再び民主主義の道へ引き戻すために不可欠な、トゥスクの司法改革に悪影響を及ぼす(ポーランドでは政治の実権は首相が握るが、大統領は強大な拒否権を持つ)。

国際的にも、ナブロツキの勝利は重大な影響をもたらす。彼はEUやドイツ、フランスとの良好な関係はポーランドの利益に反すると考えており、ウクライナのNATOおよびEU加盟にも反対の立場だ。

世界の安全保障環境と欧州の苦境は、各国間で利害の対立が大きいことを意味している。EUは経済の停滞と競争力の欠如、そしてドナルド・トランプ米大統領の貿易戦争への対応に苦慮している。

事態をさらに複雑化させているのが、極右ポピュリズムへの支持の高まりだ。極右の単純明快なスローガンは有権者には魅力的だが、問題の解決にはつながらない。とはいえ、中道の政治家たちも有効な代替案を提示できていない。

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