アメリカによるグリーンランドへの投資の現状は?

一方、アメリカの動きは、EUおよびデンマークとの協力が円滑に進んでいるのとは対照的だという。ナタニエルセンによると、2025年になってアメリカの民間ビジネス代表団が島を訪れているが、アメリカ政府との正式な対話は始まっておらず、直接投資への関心も高まっていない。

「我々は多くの投資家を歓迎してきたが、アメリカによるグリーンランドのビジネス界への具体的な投資事例はまだ見たことがない」

デンマークのオールボー大学のイェスパー・ウィライング・ゼウテン准教授は本誌に対し、トランプの関心は即時の鉱山開発ではなく、将来の資源確保にあるとした。その上で、グリーンランドの法律では鉱山開発の許可は期限付きであり、その権利を維持するには現地で継続的かつ費用のかかる作業を行う必要があるため、長期的な投資対象としては適さないと指摘している。

もしグリーンランドがアメリカの法制度に基づいて統治されていれば、投資家は土地と地下資源の権利を購入し、氷が溶けるのを待てばよかっただろう。しかし、「グリーンランドはデンマーク政府に属するため、そうした状況とはほど遠い」とゼウテンは語った。

「環境負荷が極端に高くなく、集落の隣など、住民の生活に影響を及ぼさない限り、グリーンランドは鉱山開発の実現を強く望んでいる」

ただ、GAMに採掘許可が下りたとはいえ、必ずしも計画がうまくいくとは限らないようだ。

ゼウテンによると、GAMは採掘開始に向けてさらに多くの投資家を探す必要がある。しかし、投資家をうまく募れず、プロジェクトが失敗してしまったというケースも多いという。

GAMによる採掘プロジェクトの趨勢は現時点ではわからない。ただ、グリーンランドやデンマークがトランプの要求に屈する気はないことは間違いないようだ。

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