ドルが基軸通貨なのは、歴史的にアメリカの政治や政策が他のほとんどの国より信頼できるからだが、この状況を覆したいならトランプがすぐにも解決してくれるだろう。
国際条約に反する高関税を課し、カナダを併合すると示唆し、3期目を目指すと脅すことで、トランプはアメリカを「通貨安で高インフレ」の国に近づけている。
トランプが「解放の日」を掲げて発表した相互関税に対する世界の反応は明らかだ。ドルはユーロに対し7%値下がりし、10年ものの米国債の利回りは0.5%近く上昇。世界経済の減速によって経済成長の悪化が見込まれる新興国の通貨も軒並み下落した。世界中に打撃を与える政策を打ち出すのは難しいが、MAGA派のエコノミストたちはそれを実現した。その結果ドル体制が崩壊するようなことになれば、世界が悲しむだろう。
アンドレス・ベラスコANDRES VELASCO
経済学者。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス公共政策大学院学部長。コロンビア大学、ハーバード大学教授を歴任。2013年にはチリ大統領選に立候補している。
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます